忙しい日々の中、乾きがちな心に一滴の潤いを。
そんな願いを込めて一つひとつ丁寧に、大切に作っています。
【喜雨】きう:日照り続きのあとに降る雨。慈雨。<季:夏> ※大辞林より
【 KiU 】ki:u
1. デザイン決め・サイズ出し
使い勝手やバッグに入るものをまず考えるので、デザインを考えるというよりサイズのバランスを考えているイメージでしょうか?気に入った革に出会うと、「この革を活かした形ってなんだろう」と考えるのも楽しみの1つです。
2. デザインを元に型紙を起こす
すべてのパーツを厚紙に描き起こします。同時に微妙な曲線なども決めていくのですが、その際にサイズを見直すことも多々あります。構造を頭に描きながらパーツを考えていくので、美しく仕上げるための最適なデザインに変更することもあります。
3. 革を裁断する
作業台に広げた革を、傷や伸びる方向などを確認しながら無駄なくパーツ配分し、革用の包丁で裁断します。この作業が最も神経も時間も使います。頭、目、肩、足…全身に負担がかかる作業です。
4. 革を漉く(すく)
革包丁でも漉きますが、大きなパーツなどは「革漉き機」という機械で革を漉きます。これも仕上がりの良さに関わる大事な工程です。そのため、何年やっていてもこの機械の前に座ると、緊張していや〜な汗が大量に出ます。
5. コバを磨く
コバとは革の切り口のこと。そのコバを専用の溶剤で磨きます。革らしさを活かしつつ、仕上がりが断然美しくなります。
6. 下処理も丁寧に
パーツを縫い合わせる前の仮留めや、心材・裏地などを留める時などに、ゴム糊が活躍します。薄くまんべんなく丁寧に塗ります。それらを貼り合わせた後は金槌で軽く叩き、さらにローラーで押さえたりします。仮留めといえども最後のミシンがけに影響するので、慎重に行います。
7. 時には手縫いも
KiUではミシンでの仕上げが大半なのですが、構造的にミシンでは縫えない部分や、その製品のイメージなどによって手縫いもします。手縫い針に1回ずつ蝋引きした糸を、一針一針革に通して引っ張る時の感触は、何とも言えない幸せを感じます。
8. いよいよミシンがけ
革の厚さやイメージに合わせて、針の太さ、糸の太さ、ステッチの間隔などを試し縫いでしっかり調整し、いよいよミシンがけです。ドキドキしますが、ワクワクする瞬間でもあります。頭や紙の上で描かれた物が、形になる喜びは、子供の頃と同じですね。
9. 形を整えて、完成!
縫い上がった製品の形を整えて、完成です。ステッチや傷などをチェックして、お客様のお手元に届けられる出来ばえかどうかを確認します。
10. お客様へお届け
必要に応じて、型くずれ防止のパッキン(古紙などで作っています)を詰め、オリジナルの布袋にお入れし、お客様に発送いたします。 ※オリジナル袋はショッピングバッグとしてもお使い頂けます。どんな生地かは、届いてからのお楽しみに。